信託という選択肢

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2024.11.02 コラム

 資産整理の対策として、信託が注目されてきています。
資産の継承と言えばこれまでは相続や贈与が一般的でした。
しかし近年、信託による資産の継承方法が普及してきています。


 信託とは、自身の保有する資産の運用を、他の者に任せるための契約をする事で、
代表的には投資信託があり、この言葉を耳にした事がある方も多いのではないでしょうか。


 信託が注目されている背景に、信託をする人の意思が反映される事、信託の依頼を家族など身近な人に出来る事、
不動産など信託で処分された資産の利益は信託をした人に還元される事、資産処分の手続きが煩雑にならない事などが上げられます。


 現代では高齢化に伴い、認知症の増加、認知症まではいかなくとも判断能力の低下の問題が顕在しています。
判断能力が低下している状態で資産処分を行う事は危険を伴いますし、認知症と判定された場合には成年後見の申請が必要になり、
時間と労力を必要とします。信託では判断能力のある内に、家族など信頼のおける方に資産の処分を任せられるように出来ます。


 また資産の処分によって利益を受ける対象を、自分にする事も、指定する人にも出来ます。
資産処分も任された人が主導で話を進められるため、時間的メリットも受けられます。


 一方、税制上のメリットはほぼ無いため、信託が有用かどうかは個別に判断が必要です。
とは言え、選択肢が増える事は利用者にとっては良い事ですから、検討の価値は高いのではないでしょうか。