マンションにも空き家はある

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2024.03.20 コラム

 既存制度や実物への着手が行われ始める等のニュースが見られるようになり、
社会の問題として認知されてきている空き家ですが、そのイメージが戸建、という方は多いのではないでしょうか。


 なにも空き家になるのはなにも戸建だけではありません、マンションにも空き家はあるのです。


 通常マンションは「空室」や「空き部屋」と表現されるので、家がつくとイメージしにくいのかもしれません。
しかしながらマンションの空き家は、空き家全体の半数以上を占めており、今後戸建以上に大きな問題になる可能性があります。


 戸建て住宅と比べてマンションの空き家問題が取り上げられにくい原因として、マンション建設の歴史が長くない事、
建物の崩壊・解体問題に関係しない事、景観の悪化などが見えづらく一般に認識されにくい事などが上げられます。
 日本最古と言われる分譲マンションが建設されたのが70年前で、その後東京オリンピックの招致を契機に
各地でマンションの建設が行われるようになっていきますが、長い物でも築年数は70年以内なのです。


 不動産の歴史が長くなると起こるやっかいな問題が相続問題です。
不動産の所有者が亡くなると、親族が所有権を受け継ぐ場合、相続対象の親族の中で新しい所有者を選定し
相続登記を行う事が通常なのですが、相続登記をしなかったとしても所有の権利自体は引き継がれます。
 資産の相続割合は、その内容に関係なく法律に分配割合が規定されており、半ば自動的に付与されるのですが、
不動産を清算する場合、割合に応じて切り売りする事は物理的に困難であり、また権利を持つ者全員の承認が必要です。

 相続が発生した時に相続登記をせずに放置し、所有の権利を持った方が亡くなるとその方の相続をする方に権利が移ります。
そこにも複数の権利者がいると・・・、と言うように複雑化してしまうのが取り上げられている相続問題です。


 マンションにおいてはその歴史から表立ってはいませんが、今後表面化する可能性は十分にありえます。
 また戸建て住宅とは違い、空き家が放置されていても草木が茂る事はありませんし、その部屋だけが崩れると言う事もありませんから、
マンション関係者以外に空き家を認識する事が困難です。そのため、世間の目に触れる事が少なく、問題として認識されづらくなっています。
 例え相続登記はされなくとも権利は移行していますから、管理費等や、固定資産税の支払義務は当然に発生します。
これらの請求は所有者を調べた上で、物件に近い所に住んでいる方に向かうようですが、権利を持たれているからには全員にその義務が課されています。
そうなると一人にだけ負担が掛かり不満から親族間不和に繋がってしまったり、支払いを放置するとマンションの管理や修繕に影響を及ぼします。


 いざ売却、と思い立ってから後悔しないよう、行うべきは行うようにしたいですね。